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教養・歴史 書評

『生産性とは何か 日本経済の活力を問いなおす』 評者・池尾和人

著者 宮川努(学習院大学教授) ちくま新書 800円

膨大な実証研究を基に議論 スポーツ・観光業にヒント

 労働人口が減少し、人手不足が深刻化するとともに、生産性の向上に関心が集まるようになっている。アベノミクスも、その金看板を「大胆な金融緩和」から「生産性革命」に掛け替えた観がある。本書は、そのように世間の関心が高まる以前から生産性問題を先駆的に研究してきた著者が「生産性という概念を軸に日本経済の過去・現在・未来」について考察したものである。

 本書の特徴は、生産性をめぐる近年の膨大な実証研究の成果を一般の読者に理解しやすい形で積極的に紹介し、証拠に基づく議論を展開しているところにある。近年の研究では、生産性をマクロレベルではもちろんのこと、産業レベル、企業(あるいは事業所)レベルで議論するようになっている。そうした議論を可能にしたデータベースの構築にも著者は率先して貢献している。

残り786文字(全文1180文字)

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