新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

教養・歴史 書評

3.11後の被災地舞台にリアルな人間模様を読む=美村里江

×月×日

 東日本大震災直後、夫は医療チームを率いて災害救助で現地へ赴き、数カ月勤務した。まだ結婚前だったが、ニュースとは違った現地の話を随分たくさん聞いた。

 夫が滞在した福島から岩手はどこまで復興したか。昨年夫婦で車を駆り、2週間ほどかけてあちこち見て回った。プレハブ小屋、大型トラック、土ぼこり、たくさんの土木作業員。そして沿岸部の多くの橋がいまだ建設中であることが印象に残った。

 その風景が頭にあったので、この小説の舞台となっている仮設店舗の商店を、まざまざと想像できた。日上秀之著『はんぷくするもの』(河出書房新社、1300円)。

残り1068文字(全文1336文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事