太陽光発電のFIT価格引き下げ 「バブル」の弊害見直しの一環=石川和男
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太陽光発電事業を巡り最近、「日本では成長できない」との風評とも言える悲観論が蔓延(まんえん)している。背景には、政府が2019年度からの再生可能エネルギーの固定価格買い取り(FIT)制度のさらなる価格引き下げなどを決定したことがある。本当に太陽光は落ち目なのだろうか。
FITは、再エネ発電の認定を受けた事業者から、電力会社が一定期間、電力を固定価格で買い取る制度だ。買い取り期間は太陽光ならば、事業用(10キロワット以上)で20年間、家庭用(10キロワット未満)で10年間だ。電力会社による買い取り費用の一部には、消費者の電気料金に上乗せされる「賦課金」が使われる。固定価格は毎年度、経済産業省が原案を出し、有識者会議が審議する。
19年度の固定価格は、事業用(19年度は10キロワット以上500キロワット未満)では1キロワット時当たり14円(18年度は同18円)に引き下げた。事業用太陽光は、導入時(12年度)は同40円だったのが、漸減傾向をたどっている(図)。なお、500キロワット以上のメガソーラーについては、入札制を適用する。より低い買い取り価格を提示した業者が落札できる仕組みで、コスト競争意識が問われる。
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週刊エコノミスト
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