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小説 高橋是清 第33話=板谷敏彦

(前号まで)

 自堕落な生活を脱し農商務省で働き始めた是清に与えられた仕事は「商標登録」「発明専売規則」の作成というものだった。近代国家建設に必須とも言える重要な任務に是清は没頭する。

第33話 専売特許条例

 日本における発明の保護(専売特許制度)については、輸入品が増えるにつれてそれを発明した外国人からの要請も増えて、明治4(1871)年に「専売略規則」なるものが一度発布されたことがある。 

 法律を作ったまではよいのだが、いざ実施ということになると問題がでてきた。役所に発明品を持ち込む人がいても、それが新しい発明なのかどうか審査できる者がいなかったのである。 

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