小説 高橋是清 第34話=板谷敏彦
有料記事
(前号まで)
農商務省で働き始めた是清は、逆風の中で商標登録と専売特許条例法制化の準備に没頭、恩師森有礼の力を得て参事院で法案を通過させ、元老院審議員・箕作麟祥の心を動かし法案を成立させた。
第34話 前田正名
それはちょうど、是清が農商務省で働き始めて2年ほどたった明治16(1883)年の中ごろのことだった。商標と専売特許の条例作成に忙しく、机に向かって書類を作成していた是清を一人の男が訪ねてきた。
残り2693文字(全文2894文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める