投資・運用グラフの声を聞く

長期金利上昇にもろい米国株=市岡繁男

 株価の急落は1981年の米長期金利ピーク後、利回りが10年移動平均に接近する度に起きていた。この水準では銀行などが保有する債券が含み損を抱え、リスク資産への投資縮小を余儀なくされるからだ。実際、昨年11月は長期金利上昇で大手銀行の自己資本毀損(きそん)率(証券含み損÷純資産)は3%を超え、株価下落に拍車をかけた。

 また米企業は社債発行を原資に自社株買いを行うが、長期金利の上昇時は社債発行コストが増加するので、自社株買いが細る傾向にある(図1)。このように米国株は長期金利の上昇に極めて脆弱(ぜいじゃく)なのである。

残り276文字(全文536文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月9日号

EV失速の真相16 EV販売は企業ごとに明暗 利益を出せるのは3社程度■野辺継男20 高成長テスラに変調 HV好調のトヨタ株 5年ぶり時価総額逆転が視野に■遠藤功治22 最高益の真実 トヨタ、長期的に避けられない構造転換■中西孝樹25 中国市場 航続距離、コスト、充電性能 止まらない中国車の進化■湯 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事