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外国人の日本株売りは3月と9月=市岡繁男

 バブル崩壊後の日本株を主導したのは外国人の売買だった。外国人が買えば株価は上昇、売れば下落。そんな状況が長らく続いた。こうした構図が変化したのは、日銀が日本株のETF(上場投資信託)購入を開始した2013年4月からだ。巨大な買い手の出現で、外国人が売っても株価は下がらなくなった。

 特にその効力が発揮されたのは15年6月以降。この間に外国人は日本株を16兆円売却したが、日銀はETFを19兆円購入して株価を支えた。

 それにしても、外国人はなぜ大量の日本株を売却し始めたのか。その謎を解く鍵は、中国・上海株と外国人の日本株保有額が連動していることにある(図1)。彼らは中国経済の異変をいちはやく察知したものの、流動性に難がある中国株は思うように売れない。そこで代わりに中国経済と密接な日本企業の株を売ったようなのだ。

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