大統領は「石炭再生」でも温暖化対策が進む皮肉=川上直
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昨年7月に赴任して、ワシントンDCの冬を初めて経験した。当地の緯度は日本の仙台とほぼ同じで、厳しい寒さである。最高気温が氷点下の日も珍しくなく、まとまった雪も降る。驚いたのは、除雪能力の高さである。雪が降ると、すぐさま除雪車が出動し、幹線道路はもちろん、住宅街のそれほど大きくない道路も含めて、あっという間に除雪作業が完了するのだ。
それだけではない。まとまった雪が降ると、連邦政府、国際通貨基金(IMF)や世界銀行などの国際機関、さらには子どもたちが通う学校なども一斉に閉鎖する。多くの企業も追随する。まず人の動きを止めておいて、その間に除雪をしてしまうのだ。2次被害も最小限にできるし、翌日から普段と変わらず出勤、通学ができる。しかも閉鎖の判断が非常に速い。日本は、無理に出勤、通学をしようとして被害を拡大させ、普段の生活に戻る…
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週刊エコノミスト
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