アリババの行方 近づくジャック・マー引退 中国政府と衝突の可能性も=田中道昭
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アジア最大規模のeコマース(電子商取引)を展開する阿里巴巴集団(アリババグループ)を率いる創業経営者の馬雲(ジャック・マー、54歳)会長の引退が2019年9月に迫ってきた。二次元コード(QRコード)決済「アリペイ」などアリババの事業は多岐にわたり、もはや中国の社会インフラを担う企業と言っても過言ではない。マー会長の引退をめぐっては中国政府と対立が生じているとの臆測もあり、カリスマ引退後の巨大企業の行方に早くも注目が集まっている。
アリババグループの事業の柱は企業間取引の「アリババドットコム」などに代表されるeコマースで、物流事業や実店舗の運営、クラウド事業、金融事業などにも手を広げている(図1)。2018年3月期の売上高は398億ドル(約4.4兆円)、営業利益は110億ドル(約1.2兆円)へと急拡大した(図2)、14年には米ニューヨーク証券取引所に上場し、19年2月末時点の時価総額は約4780億ドル(約52.6兆円)と世…
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週刊エコノミスト
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