注目産業別総点検4 半導体 供給過剰のリスクは後退=矢澤広崇
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中国の半導体市場が、2018年夏場を境に状況が一変している。中国は今や世界最大の半導体消費国となったが、その中国でも半導体市場のサイクルがピークアウトしているのだ(図1)。背景には、スマートフォンの普及率の高まりや買い替えサイクルの長期化で販売不振が続いていることや、17年にIT企業などを中心に活発化したデータセンター投資に設備余剰感が強まったことがある。さらに、米中通商摩擦などによる世界経済の先行き不透明感から中国の設備投資拡大が一服していることも下押し要因となった。
そもそも中国では、技術力の問題から旺盛な半導体需要を自国の生産では賄えず、多くを輸入している。そこで、中国政府は15年に発表した「中国製造2025」の中で、これまでの主な半導体産業のプレーヤーだった台湾、韓国、米国、日本に割って入ろうと、「半導体の国産化」を国策として掲げた。
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週刊エコノミスト
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