週刊エコノミスト Online 2040年の社会保障を考える
団塊ジュニアの深刻な「20年後」 貧困から脱出する二つの提言=湯浅誠/38
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2040年のあるべき社会保障制度の姿を、二つの視点から検討したい。第1回目の今回は「貧困問題全般」を、次回の第2回ではその対応策の一つとして「こども食堂」の取り組みを紹介する。
すでに多くの指摘がなされているように、1990年代以来、日本型雇用システム(雇用による社会的包摂システム)が崩壊していった。それが目に見える形で表れた端緒が「ホームレス」だった。もともと日雇い労働者は、シングルマザーともども「男性正社員が生活給を稼ぎ、専業主婦が家事と子育てをする」という形では雇用に包摂されていなかったが、バブル崩壊に、日雇い労働者自身の中高年齢化が重なって、大都市部の繁華街にその姿を見せ始めた。90年代前半のことである。
「真っ先に落ちた」のが元日雇い労働者のホームレスだったが、2000年代に入ると、若者や女性などが後に続いた。
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