乳児死亡率に見る国家の弱体化=市岡繁男
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フランスの人口学者エマニュエル・トッドは1970年代、ソ連の乳児死亡率が悪化している状況をみて、ソ連の体制崩壊を予言した。通常は下がり続ける乳児死亡率が上昇することは、経済の実情を示すうえで決定的な指標だというのだ。
トッドに倣って各国の乳児死亡率を対比すると、次の2点が注目される。1点目は米国の地位低下である。ソ連とは違って悪化傾向にはないものの、その改善ペースは著しく緩慢で、乳児死亡率は世界48位というお粗末さだ(図1)。これに対し…
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週刊エコノミスト
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