教養・歴史書評

元号は国民と共に 令和時代は文化国家へ=井上寿一

     新しい元号は令和と決まった。5月1日から令和の時代が始まる。所功・久禮旦雄・吉野健一『元号 年号から読み解く日本史』(文春新書、1000円)が巻末に「日本の年号候補・未採用文字案」を載せている。「令」の字が用いられているのは、「令徳」の1例だけである。「令和」は候補に入っていない。

     同書を取り上げるのは、新元号の予想がむずかしいことを示すためではない。元号は国民とともにあることを確認したいからである。

     元号の存続は自明ではない。同書によれば、元号は1960年代から70年代にかけて危機に陥っていた。当時の内閣法制局の見解では、元号制度は「慣習」に過ぎなかった。75(昭和50)年には内閣法制局の担当者が国会で「陛下に万一のことがございましたら、昭和という元号がその瞬間をもって消える……。空白の時代が始まる」と答弁している。

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