李首相の肝煎りで到来 起業ブームの「三つの壁」=真家陽一
有料記事
「『大衆による起業・イノベーション』が一段と進み、中国の発展に新たな優位性を築いている」。李克強首相は3月に北京であった全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で、こう強調した。
大衆による起業・イノベーションは、李首相が2014年9月、天津で開催された世界経済フォーラム・夏季ダボス会議で初めて提起した政策だ。民営企業を中心に、市場の活力を生かしつつ、草の根レベルでの起業やイノベーションを奨励している。
政策の後押しも受け、中国では起業ブームが到来。1日平均の新規登記企業数は13年の6900社から18年には1万8400社と、5年で約3倍に増えた。今年の全人代では、中国版ナスダックともいわれる新興市場「科創板」の設立や、スタートアップ企業の支援を目的とした金融債の発行奨励など、大衆による起業・イノベーションをさらに深化させる方針が打ち出された。
残り922文字(全文1297文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める