週刊エコノミスト Online書評

『生活を支える社会のしくみを考える 現代日本のナショナル・ミニマム保障』 評者・上川孝夫

    編著者 門野圭司(山梨大学准教授) 日本経済評論社 3800円

    公的な生活サービスの実態解明 地域格差解消へ財政の役割説く

     この30年間、日本はバブル崩壊、長期不況、格差問題、雇用の大変動など大きな変化を経験してきた。一体、人々の生活を支える社会の仕組みや理念、実態はどうなっているのであろうか。このテーマに気鋭の財政学者らが果敢に挑戦している。

     副題にある「ナショナル・ミニマム」とは、憲法第25条に規定する生存権の保障を意味するが、本書ではより広く、全国どこでも同等の公的サービスを受けられる状況、またはそのサービスの水準と捉え、労働、社会保障、生活インフラ、環境などの面から包括的に検討している。

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