新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

週刊エコノミスト Online 書評

『景気の回復が感じられないのはなぜか 長期停滞論争』 評者・服部茂幸

著者 ローレンス・サマーズ(ハーバード大学教授)/ベン・バーナンキ(ブルッキングス研究所フェロー)ポール・クルーグマン(ニューヨーク市立大学院教授)/アルヴィン・ハンセン(経済学者) 編訳者 山形浩生 世界思想社 1400円

長期停滞どう抜け出すか 経済学者の論戦を読む

 2008年のリーマン・ショックから10年がすぎた。ショックの後、米連邦準備制度理事会(FRB)などは米国経済のV字回復を予想していたが、実際に起きたのは「L字回復」(急激に落ちた後にゆるやかな回復)である。トランプ大統領の登場もその結果と言える。論争に発展したこの長期停滞に関する論文、講演などをまとめたのが本書である。

 論争の口火を切ったサマーズ元米財務長官は、停滞の結果、13年時点で10%の国内総生産(GDP)、5%の生産能力が失われたと言う。需要不足が人的・物的投資の減少を通じて生産能力を喪失させるのである。それを受けて、彼はインフラ投資の拡充を訴える。

残り885文字(全文1302文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事