「すごみ」を浮き彫りにする「参与観察」の手法=荻上チキ
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対象にインタビューをするだけではなく、自らが意図を持って当事者となり、グループなどに所属。その上で集団などの特徴やメカニズムを分析する手法を「参与観察」という。
優れたインタビュー以上に、優れた参与観察というのは希少だ。そして、誰にでもできるわけではない。才能だけでなく、タイミングや運などがそろわなければ、良質なリポートにまとめることはできないのだ。
打越正行『ヤンキーと地元』(筑摩書房、1800円)は、沖縄の暴走族の「パシリ」として参与観察することで、解体屋や風俗産業など、貧困を背景とした若者アウトサイダーたちが、いかなるリアリティーを生きているのかを活写した一冊。
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