映画 ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス=芝山幹郎
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巨大な有機体をとらえた記録 沈着と情熱は共存できる
フレデリック・ワイズマンが恐るべきドキュメンタリー映画を撮った。題名は「ニューヨーク公共図書館」(以下、館名をNYPLと記す)。
205分という上映時間を聞いて、尻込みする方もいるだろう。たしかに長い映画だが、まったく退屈しない。見ていて興趣が尽きないばかりか、新しい発見が相次ぎ、想像力が加速度的に刺激される。
この大図書館のことなら、私も少しは知っているつもりだった。5番街と42丁目通りの交差点に位置するボザール様式の殿堂。取材に訪れ、かなり詳しく案内してもらったので、大筋と急所はつかんだような気になっていた。「ティファニーで朝食を」(1961年)や「スパイダーマン」(2002年)といった映画でもお馴染みの場所だし。
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週刊エコノミスト
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