教養・歴史書評

昭和天皇含め指導者の「歴史的構想力」を問う=井上寿一

     戸部良一・寺本義也・野中郁次郎編著『国家経営の本質』(日本経済新聞出版社、2000円)は、世界的転換期の1980年代に、マーガレット・サッチャーや中曽根康弘らがどう知略をめぐらしたかを考察した本だが、そのスピンオフともいうべき戸部良一『昭和の指導者』(中央公論新社、1900円)が出た。

     6人の昭和の指導者を取り上げる本書で、最初に読むべきは第六章の「昭和天皇」だろう。繰り返されてきた問いがある。昭和天皇は「聖断」によって、戦争を終結することができた。同様に対米開戦回避の決定も可能だったのではないか。

     この問いに対する著者の答えは、昭和天皇が絶対君主ではなく、立憲君主だったことを前提としている。

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