新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

教養・歴史 書評

『移民クライシス 偽装留学生、奴隷労働の最前線』 評者・高橋克秀

著者 出井康博(ジャーナリスト) 角川新書 920円

安価な労働力供給を目的に 暗黙の共謀の構造を暴く

 入国管理法改正の議論の中で、奴隷労働とも言うべき技能実習生の過酷な労働実態が明らかになった。この問題の陰に隠れがちだが、同じくらい深刻な偽装留学生という闇が存在する。出井康博氏は日本というクモの巣にからめとられたベトナムやブータンからの留学生の窮状を地道な取材であぶりだした。

 このクモの巣は財界、政府、地方自治体、大手マスコミ、ブローカー、コンサルタント、政治家、官僚、日本語学校が暗黙の共謀で張り巡らした利権の構造である。

残り915文字(全文1179文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事