国際・政治チャイナウオッチ 中国視窓

「駆け込み」で強まる環境規制 ノウハウ持つ日系企業に商機=真家陽一

    環境に配慮した工場運営を迫られる(Bloomberg)
    環境に配慮した工場運営を迫られる(Bloomberg)

    「汚染防止と『小康社会』の全面的な構築に向け、重大な時期にある」。5月17日に湖北省で開かれた環境問題に関するシンポジウムで、中国の環境政策を担う李幹傑・生態環境相はこう強調した。

     中国共産党は「二つの100年」という目標を定めている。一つは、党結成から100年目の2021年までに、経済的に多少ゆとりのある「小康社会」の構築を全面的に完成させること。もう一つは中華人民共和国の建国から100年目の2049年までに社会主義近代化国家を建設することだ。前者には環境汚染の改善が含まれており、習近平政権は17年12月の中央経済工作会議で、金融リスクの防止、貧困脱却と並び、汚染防止にも3年かけて取り組むと表明した。

     中国にとって、激しさを増す米国との貿易摩擦への対応は喫緊の課題だが、他方で「小康社会」の目標期限も2年後に迫っている。このため、中国では環境規制がますます強化され、環境基準を満たせずに停止や廃業を迫られる工場が相次いでいる。日系企業も例外ではない。

     日本貿易振興機構(ジェトロ)が18年11月に公表した「進出日系企業に対する環境規制調査アンケート」では、約10%の企業が「規制が厳しく事業の継続が困難」、6%の企業が「工場の移転を検討」などと回答。「環境保護規制が年々強化され、企業の事業環境にも大きな影響を及ぼすようになっている」と指摘されている。

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