教養・歴史著者に聞く

バブルが残した不良債権と戦い続ける人がいるという希望 著者・清武英利さん(ノンフィクション作家)

「取材のきっかけは、今も住専の裁判が続いていると知ったことです。おかしいな、と。債権の時効は10年のはず。住専が破綻して20年たっていました」

 整理回収機構は時効停止を求めて50件以上の訴訟を起こしている。

「トッカイ」のメンバーは「奪(と)り駒」だという。将棋で相手から取った駒を打ち込んで攻めるように、住専をはじめ破綻金融機関の社員を雇い、自分が貸した相手から取り立てさせたからだ。

「つらく矛盾に満ちて先がない仕事ですが、誰かがやらなければならない。いや応なく置かれた泥沼のなかで、人はどのように意欲が出るのか知りたいと思いました。実際は無我夢中だったという人が多く、上司や仲間、家族、誰かが燃えさせてくれたと言います」

残り752文字(全文1063文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事