教養・歴史著者に聞く

『会計と犯罪 郵便不正から日産ゴーン事件まで』 著者・細野祐二さん 会計評論家

不当逮捕の実体験ベースに特捜検察の問題点を徹底追及

 出版界に「お縄系セレブ」なるジャンルが存在する。元外務官僚の佐藤優さんや堀江貴文さんらを指した言葉だ。要は、特捜検察に逮捕・起訴され、有罪確定した元刑事被告人でありながら社会的に活躍していること。著者もその一人だ。シロアリ駆除会社「キャッツ」の粉飾決算を主導したとして東京地検特捜部に逮捕・起訴され、2010年5月に有罪確定。『会計と犯罪』は、実体験を基に冤罪(えんざい)を組織的に引き起こす特捜検察の問題点を浮き彫りにした。

「転機は、本書で詳細に再現した元厚労事務次官・村木厚子さんの冤罪事件です。特捜検察の証拠改ざんが発覚した史上最大級の不祥事でした。以来、国民は特捜検察の捜査や逮捕・起訴に強い疑念を持つようになったと思います。本書では、マスコミにリークし、大物政治家や高級官僚に巨悪のレッテルを貼り、世論を味方につけて有罪犯に仕立て上げる特捜検察の体質を論述しました」

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