主力商品が不振、金融株の30年=市岡繁男
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金融株はさえない展開が続いている。2018年1月以降、TOPIX(東証株価指数)の下落率20%に対し銀行株は35%、証券株は41%も下落している。市場全体の株式時価総額に占める金融株のウエートも直近は53年ぶりに8%台に低下した(図1)。1980年代後半は同比率が32%もあって、東証時価総額上位10社中、7社が銀行、証券だったことを思えば、隔世の感がある。
金融株の存在感が低下した原因は、バブル崩壊に懲りた民間部門(家計+非金融企業)が債務圧縮に動いたからだ。要は銀行の主力商品(貸し出し)が売れないのだ。事実、89年後半の銀行貸し出しは、前年比76兆円(名目GDPの19%)も増加していたが、その10年後には前年比マイナスとなっている(図2)。金融株の時価総額ウエートと債務比率(債務総額÷名目GDP)の低下が連動している様子は興味深い(図1)。
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週刊エコノミスト
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