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80年周期の大変動、次は2020年代=市岡繁男

(出所)江戸物価事典、日本不動産研究所より筆者作成
(出所)江戸物価事典、日本不動産研究所より筆者作成
(注)1830〜60年代、1870〜1930年代に金価格が一定の時期があるのは金本位制などのため(出所)米国歴史統計より筆者作成
(注)1830〜60年代、1870〜1930年代に金価格が一定の時期があるのは金本位制などのため(出所)米国歴史統計より筆者作成

 第5代気象庁長官だった高橋浩一郎氏(故人)はその著書『気候変動は歴史を変える』のなかで「日本は約80年ごとに社会が変動してきた」と指摘する。事実、1620年代の江戸幕府確立後は、1700年代は享保の改革、1780年代は寛政の改革、1860年代は幕末・明治維新、1940年代は戦争という一大変革期を迎えてきた。

 江戸時代の社会変動は天変地異とその後の財政危機がワンセットだった。享保の改革は1703年の元禄地震と4年後の宝永地震、富士山噴火。寛政の改革は1783年の浅間山噴火とその後の天明の大飢饉(ききん)に対応するものだ。幕末も1854年に安政東海地震、南海地震が連続して発生し、翌年は江戸でも大地震が起きている。

 同じ時期に海外でも混乱が発生しているのは興味深い。1780年代は米国独立戦争、フランス革命、1860年代はイタリアやドイツの国家統一、そして米国では南北戦争が起きている。その80年後は世界大戦だ。

 日本の1860年代や1940年代の事例をみると、古い国家体制が壊れる過程でインフレが猛威を振るい、米価や商業地地価が僅か数年で8~10倍になった(図1)。米国でも、南北戦争や大恐慌で金価格は2倍以上になっている(図2)。次の80年期である2020年代もそんな混乱が起きるのだろうか。

(市岡繁男・相場研究家)

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