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米中対立の深層に元建て原油決済=市岡繁男

図1 米銀の預金総額に占める原油決済代金は15%に上る International Trade Center (国連)
図1 米銀の預金総額に占める原油決済代金は15%に上る International Trade Center (国連)

 1973年、米国とサウジアラビアとの間で、「原油は全てドル決済」とする合意がなされた(ペトロダラー体制)。金とのリンクを失ったドルだが、代わりに石油の裏付けを得たのだ。この仕組みは米国に大きなメリットを与えてきた。どの国が原油を輸入しても、決済通貨はドルなので、最終的には必ず米銀に還流することになる。このため、米国の銀行は労せずして低コストの預金を得ることができるのだ(図1)。

 米国の内外で取引される原油の決済総額は年間1.9兆ドルに上る。これは米銀の預金総額12.3兆ドルの約15%に相当し、原油価格が上がれば上がるほど、そのメリットは大きくなる。

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