高関税、禁輸という「武器」で自らの首を絞める米国=岩田太郎
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トランプ米大統領が対外交渉で米国に有利な条件を引き出すため、高関税や禁輸という「経済的な武器」を使って、中国のテクノロジーがもたらす安全保障上のリスクやメキシコからの不法移民流入など、政治的な課題の解決を目指す「目的と手段の混同」に批判が集まっている。
米国商工会議所国際部のマイロン・ブリリアント部長は6月10日、米経済専門局CNBCに出演し、「関税の武器化は米農家、米製造業や米消費者に損害を与えるため、米経済に対する脅威だ。さらに、米国の貿易相手国にとっても、(いつ関税が政治目的で使われるか分からず)不確実性が高まる」と、トランプ大統領を非難した。
これに対し、トランプ氏自身が即座にCNBCに電話をして反論し、「中国は、米国に高関税の圧力をかけられ、妥協に追い込まれる。(大統領の方針に反対する)米国商工会議所は米国民ではなく、大企業の利益を代表しているだけだ」と主張した。
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週刊エコノミスト
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