ホルムズ海峡タンカー攻撃 米・イランに自制求める欧州=熊谷徹
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6月13日にホルムズ海峡で日本の海運会社が運航するタンカーなど2隻が攻撃された事件をめぐり、欧州では米国やイランに対し軍事衝突の危険を減らすよう求める声が強まっている。
ドイツの保守系日刊紙『フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)』は6月16日付電子版で「この海域では、5月に4隻のタンカーがアラブ首長国連邦沖で攻撃を受けたばかり。数カ月前から米国とイランの関係は悪化していたが、緊張は一段と高まった。特に米国の同盟国であるサウジアラビアのムハンマド皇太子は『我々の国土、国民、主権への脅威に対しても対抗する』として、イランに対して強硬な態度を取るよう要求した。同国の事実上の支配者であるムハンマド皇太子は2015年にイエメンでシーア派武装組織フーシに対する戦争を始めた人物で、イランに対する強硬な姿勢で知られる」と指摘した。
またドイツの日刊紙『南ドイツ新聞』は6月18日付紙面で「イラン政府はウラン濃縮を再開している。欧州諸国が米国の経済制裁に対して有効な対抗措置を取らなければ、イランの各施設でのウラン濃縮度は、2015年の核合意が定めた上限値を6月27日に超える。信頼醸成の措置だった核合意の終焉(しゅうえん)により、イランは核武装の道を歩む」と報じ、核合意の崩壊がイランだけではなく、中東や欧州など多くの国々に不利益…
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週刊エコノミスト
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