マーケット・金融ズバリ!地域金融

上場の意義問われる地銀 地元財界の時代錯誤も=浪川攻/20

 6月13日に開かれた全国銀行協会長の定例記者会見で、記者の一人が次のような質問を放った。

「厳しい環境が続くなかで、地域銀行が上場コストを負担してまで上場する意味があるのかどうか、メリットがあるのかどうか」

 やや場違いの質問だったが、高島誠全銀協会長(三井住友銀行頭取)はこう答えた。

「一般論としては、中長期的に見て上場維持コストに見合うメリットが期待できないのであれば、非上場化も選択肢になりうると思う。株主還元と自己資本の充実のバランスをいかに取っていくかは、株式を上場する銀行特有の難しさがある」

 このやり取りは、金融庁、日銀が上場地銀による株主還元の動向を注目していることを反映したものと言える。近年、株主還元の重要性が高まっているが、その一方で配当などは利益の外部流出でもある。その負担とメリットがバランスしているかどうか。この判断は容易ではない。

残り905文字(全文1284文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事