教養・歴史書評

『ジャパン・ストーリー 昭和・平成の日本政治見聞録』 評者・新藤宗幸

著者 ジェラルド・L・カーティス(コロンビア大学名誉教授) 訳者 村井章子 日経BP社 1800円

50年余の日本政治研究を総括 安倍政権の「官邸優位」評価は

 2012年12月に成立した第2次安倍晋三政権は、近年では異例の長期政権となっている。政権には各種世論調査で40%台後半の支持があるものの、厳しい批判も存在する。長期政権をどのように理解するかは、現代日本政治と社会の研究にとって、重要課題だといってよい。

 本書の著者ジェラルド・L・カーティスは、博士論文の執筆のために1966年に来日し、旧大分2区から立候補した自民党の佐藤文生衆院議員に密着して、草の根政治のフィールドリサーチを行った。その成果である『代議士の誕生』は、保守政治の実相を摘出するものだった。以来、カーティスは米国人日本政治研究者として高い評価を得ている。

残り858文字(全文1222文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

6月13日号

電力が無料になる日 NTT、東電、トヨタが拓く未来14 NTT、東電、トヨタの共闘 捨てる再エネは「宝の山」 ■金山 隆一18 インタビュー 森島龍太・電池サプライチェーン協議会業務執行理事 「電池は国家のエネルギー戦略そのもの」19 電池のリユースは自動車業界の命綱 ■藤後 精一20 EV電池の送 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事