軍事負担求めるトランプ氏 安保改定発言に潜む「本音」=伊藤智永
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参院選へ安倍晋三首相が「世界のアベ」を印象づけるはずの主要20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)は、主役の座をトランプ米大統領に奪われた。それだけならまだしも激震を走らせたのは、トランプ氏が閉会後の記者会見で日米安保条約について「不公平な合意だ。改定しなければならない」と公言したことだ。
しかも、「安倍首相に半年間、この話をしてきた。米国が攻撃されたら日本も米国を守らざるを得ない。彼はそれを分かっているし、それで問題ないはずだ」と駄目押しした。来日前、安保条約への不満は米メディア報道で繰り返し予告されていた。記者会見の発言は、満を持しての計算ずくと受け止めざるを得ない。
4、5、6月と毎月行われた首脳会談について、外務省は「短期間にこれだけ頻繁に首脳の往来があることは、日米同盟が史上かつてなく強固である証しであるとの認識を共有し、揺るぎない同盟を今後とも一層強化していくことで一致した」と発表してきた。しかし、トランプ氏が暴露した内情を知ると、怪しいくらい頻繁な往来、卑屈なほど過剰なもてなし、空々しいまでの同盟の強調ぶりは、不安を必死に覆い隠そうとするためだったの…
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週刊エコノミスト
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