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「4選」見えたが「改憲」遠く 参院選で抱えた首相のジレンマ=人羅格

参院の改憲勢力が3分の2を割り、会見の道は険しさを増した(東京都千代田区で7月21日)
参院の改憲勢力が3分の2を割り、会見の道は険しさを増した(東京都千代田区で7月21日)

 与野党どちらにも目立った追い風が吹かない中、自公が底堅く議席を積み上げた選挙だった。

 参院選は与党が改選過半数を上回る71議席を得て勝利した。一方で、参院で憲法改正発議に必要な3分の2以上の「改憲派」勢力は維持できなかった。

 投票率48・80%が冷めた選挙を象徴した。5割を切ったのは1995年、村山富市「自社さ」政権時代の44・52%以来だ。自民は「憲法改正」、野党は「老後資金」と掲げる争点をお互いが拒否し合ったため、有権者はポイントを絞りにくかった。

 そもそも政党が「熱量」を欠いた。自民も、野党第1党の立憲民主党も最初から「そこそこの勝利」を目指している様子が透けて見えていた。

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