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小説 高橋是清 第57話 馬関条約=板谷敏彦

(前号まで)

 日銀西部支店長就任から半年、日清戦争が勃発し、支店のある馬関は朝鮮半島への物資輸送の拠点となった。地元の名士として是清は多くの人物と交流、藤田財閥の藤田伝三郎と出会う。

 明治28(1895)年1月31日、在清、在日の米国公使の仲介を頼りに2人の清国高官が講和交渉のために広島までやってきた。だが彼らの持つ全権委任状の効力に疑義があり、日本側は講和交渉入りを断った。伊藤博文首相や陸奥宗光外相は、李鴻章を全権とする講和交渉を希望した。

 日本側の講和の条件は、朝鮮の独立、領土割譲(大連湾・旅順、台湾)、賠償金獲得、通商条約の改定などを骨子としたもので、うち続く戦勝に、国内世論では大陸や台湾などに過大な土地割譲要求が噴出し始めていた。

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