小説 高橋是清 第59話 横浜正金銀行=板谷敏彦
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是清が日銀西部支店長として馬関に赴任して間もなく日清戦争が勃発、日本は勝利するものの露独仏の干渉により遼東半島を放棄した。臥薪嘗胆の決意の下、日本は軍備増強にまい進する。
日清戦争が終わった明治28(1895)年、是清は8月に開催された日本銀行総会の後で川田小一郎総裁から横浜正金銀行への移籍を打診された。
「これまで、日銀は低利の資金を正金に融通して、貿易の発展に資すべく働きかけていたが、どうもうまく機能してこなかった」
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