小説 高橋是清 第60話 トルストイ=板谷敏彦
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日銀西部支店長として2年。日清戦争終結を馬関で迎えた41歳の是清に、貿易金融・外国為替に特化した横浜正金銀行への移籍の辞令が下った。本店支配人として是清は再び横浜に戻る。
明治29(1896)年の5月初旬。日清戦争も前年に終わり世情も落ち着いて、是清が横浜正金銀行で業績をあげ始めた頃である。
国民新聞社の社主、徳富蘇峰はかねてから準備していた欧米出張旅行に出発することになった。
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