日米の労働生産性から見たドル・円相場=市岡繁男
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内閣府の「国民経済計算年報」は、業種別の国内総生産(GDP)、雇用者数、年間労働時間数などのデータを網羅している。この数値を基に2000~17年の業種別の労働生産性(実質国内総生産÷雇用者数×年間労働時間数)を計算すると、産業全体では9%の伸びだが、製造業は43%も改善していることがわかる(図1)。なかでも電子デバイス、情報通信機器の生産性はこの17年間で5倍以上に向上した。
他方、非製造業の生産性は1%増とほぼ横ばいだ(図1)。これは宿泊・飲食(16%減)や保健衛生(看護・介護)(28%減)など、人手が必要な業種で生産性が低下しているからだ。こうした状況は米国も同じで、17年末時点の生産性(名目値)は製造業が82・6ドル、卸売り・小売業が60・6ドルと高く、宿泊・飲食が31・4ドル、保険衛生が23・4ドルと、労働集約型産業は低い。
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