米財界が「株主第一主義廃止」 実現には企業の監視必要=岩田太郎
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米ネット小売り大手のアマゾンや米金融大手JPモルガン・チェースなどの最高経営責任者(CEO)が加入する米有力財界団体のビジネス・ラウンドテーブルが8月19日、「株主第一主義を廃止し、従業員や消費者や社会全体の利益も重視する」との声明を発表したことを受け、資本主義のあり方について米論壇で議論が盛り上がっている。
ビジネス・ラウンドテーブルの会員企業である米保険大手オールステートのトム・ウィルソンCEOは8月20日付の米『ニューヨーク・タイムズ』紙に寄稿し、「米国人の40%は緊急時の出費に充てられる蓄えを400ドル未満しか持たない。困窮はストレスを高め、希望を損ない、資本主義を破壊する」と述べ、企業による株主第一主義が、許容できない程度の経済格差や社会問題を生み出したことを間接的に認めた。
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週刊エコノミスト
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