小説 高橋是清 第62話 外債発行調査の旅=板谷敏彦
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日清戦争の賠償金を元手に日本政府が金本位制採用を決めた頃、是清の恩人である川田日銀総裁が死去、代わって三菱の岩崎弥太郎が就任した。是清は横浜正金銀行副頭取に昇進する。
明治30(1897)年3月、是清は横浜正金銀行株主総会で副頭取に任命された。
10月に日清戦争によって獲得した新領土の台湾銀行創立委員を申しつけられると、その他にも農商工高等会議議員などいくつかの公的な要職に指名されるようになった。
翌明治31年1月、是清は副頭取として正金海外支店事務視察のために海外出張に出掛けることになった。ペルー銀山を含めるとこれで4度目の海外渡航になる。
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週刊エコノミスト
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