小説 高橋是清 第63話 日銀ストライキ事件=板谷敏彦
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金本位制採用を決めた松方総理大臣の要請を受け、是清は外債発行の条件調査のため海外へ出発した。ロンドンに到着した是清は、子供の頃に世話になったアラン・シャンドと再会する。
明治31(1898)年9月末、是清が海外出張から帰国すると政権は第3次伊藤博文内閣から大隈重信へと代わって、内相に板垣退助を迎えていわゆる隈板(わいはん)内閣が成立していた。
大蔵大臣は憲政党の松田正久である。是清はさっそく帰朝報告に参上した。
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