近代日本政治史研究の第一人者による名著復刻=井上寿一
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岡義武『転換期の大正』(岩波文庫、1070円)、同『近代日本の政治家』(岩波文庫、1070円)は名著復刻と呼ぶべきだろう。岡義武(1902〜90年)は戦前・戦後をとおして、近代日本政治史研究の第一人者として知られる。多くの著作のなかで、新たにこれらの2冊が文庫化されて、誰でも容易に手にすることができるようになった。
文庫化に際しての二つの著作に共通する構成上の特徴は、きわめて充実した内容の解説が付されていることである。どちらも東京大学が所蔵する「岡義武関係文書」にある草稿との突き合わせ作業によって、作成過程を明らかにしている。これらの解説の助けを借りながら読み進めると、次のようなことがわかる。
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