資源・エネルギーワシントンDC

米中摩擦、重要鉱物資源にも戦線拡大=川上直

    貴重な国内採掘場だが、精製はできない(カリフォルニア州)(Bloomberg)
    貴重な国内採掘場だが、精製はできない(カリフォルニア州)(Bloomberg)

     米国はハロウィーン(10月31日)、サンクスギビングデー(感謝祭、11月第4木曜日)、クリスマスと毎月のようにイベントが続くホリデーシーズンの真っ最中だが、華やいだ雰囲気とは無縁なのが米中摩擦だ。貿易以外のさまざまな分野に戦線が拡大しており、重要資源も例外ではない。重要資源の中でも、筆者が最近注目しているのはレアメタル、レアアースなどの重要鉱物資源だ。当地では「クリティカル・ミネラルズ」と呼ばれることが多い。

     クリティカル・ミネラルズは、電子部品や液晶の材料として、スマートフォンや半導体など幅広い用途に利用されている。モーターや電池材料にも使われることから、今後、自動車の電動化の進展や省エネ機器などの製造に必要不可欠なものとして、更にその重要性が高まるとみられる。風力発電機にも使われるなど、脱炭素化や再生可能エネルギー利用拡大のカギをも握る。

     ところが、重要鉱物については、資源の採掘権益から精製までサプライチェーン全般で中国が独占的地位を占めているのだ。レアメタルの一部であるレアアースに限って言えば、世界全体の生産量の約7割が中国に偏在しているのみならず、精製分野でもほとんどを中国が握る。中国に対する依存度が非常に大きいのだ。現在、カリフォルニア州に米国唯一のレアアース採掘施設があるが、採掘されたレアアースは、精製のため中国に輸出して…

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