大恐慌期にもあったギリシャ危機=市岡繁男
有料記事
2012年3月、ギリシャのデフォルト(債務不履行)危機が頂点に達した時に37%だった長期金利は、現在1・4%で米国を下回る。欧州中央銀行(ECB)がギリシャ債買い入れを断行したお陰だ。もしあの時、デフォルトしていたらどうなったか。1932年4月、ギリシャが債務元本の7割カットと為替切り下げを行った後、政治経済にどんな影響が生じたかを分析したアテネ大の論文がある。
これによると、ギリシャ政府は28年、通貨価値を金に裏付けさせる金本位制に参加した。その後しばらく、同国の為替と金利は安定していたが、31年9月、英国の金本位制停止で状況は一変する。ギリシャもすぐに金と自国通貨のリンクを断ち切るべきだったが、対外的に債務再編を要請している間に金準備が急減し、万事休すとなった。
残り212文字(全文550文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める