週刊エコノミスト Online論壇・論調

EU、「合意なし離脱」を懸念 年内の貿易協定締結見通せず=熊谷徹

製品の安全性基準などで貿易交渉は難航しそう(英フェリクストウの港)(Bloomberg)
製品の安全性基準などで貿易交渉は難航しそう(英フェリクストウの港)(Bloomberg)

 英国のジョンソン首相は2019年12月20日、議会下院で欧州連合(EU)離脱協定案を可決させ、同国が20年1月31日にEUを離脱することはほぼ確実となった。だがEU側では、英国が自由貿易協定に関する交渉を20年末までに終えることを法律で義務付けたことにより、事実上の「合意なし離脱」が生じる可能性について懸念が強まっている。

 英国とEUは20年2月1日に始まる移行期間に、関税などをめぐる自由貿易協定だけではなく、防衛協力、移民の監視など新しい「2国間関係」に関する細部について合意し、EU離脱の枠組みに肉付けする作業をしなくてはならない。

残り1114文字(全文1385文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事