米短期金融市場の不安定化 FRB対応「その場しのぎ」=岩田太郎
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銀行や保険、証券会社、機関投資家などが大量の資金をやりとりする米短期金融市場で2019年9月に資金需給が逼迫(ひっぱく)する危機が起き、レポ金利(金融機関同士が国債などを担保に短期資金を貸し借りする際の金利)が急上昇した。資金需要が高まる年末にかけて再び不安定化が予想されたが、ニューヨーク連邦準備銀行が9月以来、累計5000億ドル(約54兆円)近くの潤沢な資金供給を行い、混乱は回避。一方で、米連邦準備制度理事会(FRB)の対応が中長期的に適切なのか、議論が続いている。
08年の金融危機発生時にニューヨーク連銀でレポ金利の調節を担当していたゾルタン・ポザー氏は、12月9日に発表した報告で、「年末にかけて金融市場の資金供給が再び逼迫して金利が急騰し、その結果としてFRBは短期国債購入からより長期の国債購入への変更を強いられる。それは、事実上の金融緩和(QE)の再来になる」と警告していた。
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週刊エコノミスト
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