蔡氏が圧勝した台湾総統選 新たな米中対立の火種に=坂東賢治
1月11日に投開票された台湾総統選で、現職で民進党の蔡英文氏(63)が過去最多得票で圧勝し、再選された。米『ワシントン・ポスト』紙の社説(1月14日)のタイトル「習近平氏の香港と台湾への対応が反動を生んだ」がメディアや専門家の見方を代表している。
2018年11月の統一地方選で民進党が大敗し、蔡氏が党主席を辞任した際には、1期目に年金改革などで支持を失った蔡氏の再選は危ういという見方が広がった。それが1年余で急激に支持を回復したのは中国の失策ゆえだ。
香港の英字紙『サウスチャイナ・モーニングポスト』は社説(1月13日)で「蔡氏は香港の逃亡犯条例への抗議活動を奇貨として選挙の争点を不人気な改革から、(中国に統一される)『1国2制度』に対する恐れへと変えた」と評した。
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週刊エコノミスト
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