NEWS 米がイラン司令官殺害 駐留米軍反発頂点に IS復活のおそれも=会川晴之
有料記事
イラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官が1月3日、イラクの首都バグダッドで米軍の無人機攻撃を受けて死亡した。イランは8日に弾道ミサイルをイラクの駐留米軍基地に撃ち込むなど報復を開始、反撃を公言していたトランプ米大統領の対応に注目が集まる。さらに、イラクも「米国に主権を侵害された」と猛反発、米軍の撤退を求める国会決議を5日に採択した。イラクを失えば、なお勢力を温存する過激派組織「イスラム国」(IS)の復活の可能性も出てくる。米国は極めて難しい局面に立たされている。
米軍は2003年のイラク戦争後にイラク駐留を開始した。だが、刑務所での虐待行為が明るみに出るなど傍若無人な振る舞いにイラクの反発が強まる。当時、米国防長官だったロバート・ゲーツ氏は回顧録で、米軍が「解放軍」ではなく「占領軍」と受け止められたと指摘、駐留継続をイラクが受け入れる可能性について「はなはだ困難」な状況だったと振り返る。結局、米軍は11年末にイラクからの撤退を余儀なくされた。
残り631文字(全文1067文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める