小説 高橋是清 第77話 マカロフ提督戦死=板谷敏彦
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日露開戦が迫る。戦費調達のため欧州に派遣された是清は旧知のアラン・シャンドと再会。パース銀行支配人であるシャンドとともに、ロンドンでの戦時公債の起債に奔走する。
「大きなニュースが入りました」
明治37(1904)年4月13日、是清と深井が林公使の部屋で話をしていたところ、電信係が電報を持って部屋に駆け込み、林に電報を渡した。
「今朝、ロシア旅順艦隊旗艦ペトロパブロフスクが機雷で沈没、マカロフ提督と参謀長は戦死」
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