佐藤栄作の再評価から日本の長期政権を考える=井上寿一
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昨年11月20日、安倍晋三首相が憲政史上、最長の在任日数となった。戦後において安倍首相に次ぐ長期政権を担ったのは佐藤栄作である。以下では佐藤の評伝2冊を読み比べながら、日本政治にとっての長期政権の意味を考える。比較の対象にするのは最近出た村井良太著『佐藤栄作』(中公新書、1000円)と、2017年に出た服部龍二著『佐藤栄作』(朝日選書、1800円)である。
両著は次の三つの共通点を持つ。第一はオーソドックスな政治外交史研究であり、第二は高度な史料実証主義であり、第三は佐藤に対する負のイメージを修正する試みである。
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