緩和マネーに頼る株高の危うさ=市岡繁男
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世界銀行は1月8日、2020年の世界経済見通しを0・2ポイント下方修正し2・5%とした。世界貿易の低迷がその要因だという。ところが一方で株価は急騰し、新年早々、ダウ工業株は2万9000ドル、日経平均は2万4000円の大台に乗せた。いまの株価はファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)より米連邦準備制度理事会(FRB)が投入する量的緩和マネーの動向で決まるのだ。
17年10月以降、 FRBは償還を迎えた国債などの再投資を見送ることで、保有資産の縮小を進めてきた。だが19年3月に方針を変更し、同年9月から資産の圧縮を中止することになった。さらに同9月中旬、レポ金利(短期国債等を担保とする銀行間の資金貸借取引)の高騰を受けて同市場に介入し、短期国債の買い取りを開始する。つまりFRBが事実上の量的緩和政策を再開したことで、内外の株価が上昇に転じたのだ(図1)。
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週刊エコノミスト
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