韓国 貧困層に成長戦略のしわ寄せ=堀山明子
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韓国の文在寅(ムンジェイン)政権が看板政策に掲げる、国民の所得と消費能力を上げて内需を刺激する「所得主導成長戦略」のしわ寄せが、所得が最も低い10%の貧困層(1分位世帯)と自営業に集中していることが、政府系機関や研究所の報告書で相次いで発表された。急激な最低賃金引き上げや残業規制の週52時間労働制は、所得を増やして消費に回すどころか、最低所得者を困窮させているという現実を、政権周辺も認めたことになる。
注目は、進歩系のシンクタンク「韓国労働社会研究所」が1月6日に発表した報告だ。昨年の1分位世帯の時給平均は前年比で8%以上高い7368ウォン(約700円)だったが、雇用者が労働時間を減らしたため、月給は1万ウォン低い89万ウォン(約9万円)と4・1%減少。中間所得層の月給が5%前後増えたのとは対照的な結果となっている。1分位世帯では、週の労働時間が15時間未満の労働者の比率が41・9%にのぼり、…
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週刊エコノミスト
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